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所作(型と舞)

能は型(演技等の様式、パターン)によって構成されています。所作、謡、囃子、全てに沢山の種類の型があります。

しかしここでいう型は、いわゆる舞や所作の構成要素としての型です。
これらの型の成立の経緯についてははっきりしていないですが、梅若猶彦さんは型の出現を江戸期、型が安定的に継承されるようになったのは昭和期ではないかと推測しています。

型が出現した理由として梅若さんは、身体動作に名前を付けることで学習が効率的になるということを挙げています。それは、確かにそうかもしれないですね。

また梅若さんは、現代の能においてはこれらの型が必要以上に重視され、一種の信仰の対象のようになっていることの弊害も指摘していて、世阿弥の著述からは型への信仰は窺えないこと、重要なのは役者が自分の内面と身体の関係を自由にコントロールできる能力を身に付けることで、型の学習のみではそれは不可能だという事を指摘しています。難しいですね・・・自分をコントロールするのはなかなか・・・。

型の基本

型の基本は摺り足ですが、足裏を舞台面につけて踵をあげることなくすべるように歩む独特の運歩法で、これを円滑にやる為には膝を曲げ腰を入れて重心を落とした体勢をとる必要があります。

すなわちこれが「構え」です。
また能は、歌舞伎やそこから発生した日本舞踏が横長の舞台において正面の客に向かって舞踏を見せることを前提とするのに対して、正方形の舞台の上で三方からの観客を意識しながら、円を描くようにして動く点にも特徴があるのです。三方から見えるからこそ、色々と意識しながら動かないといけないですね。

能舞台は音がよく反響するように作られていて、演者が足で舞台を踏む(足拍子)事も重要な表現要素なんです。音も大事です。

主な型の種類

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今日は主な型の種類について。。


シカケ(サシコミ)
すっと立ち、扇を持った右手をやや高く正面にだす。

ヒラキ 
左足、右足、左足と三足(さんぞく)後退しながら、両腕を横に広げる。
  シカケとヒラキを連続させる型をシカケヒラキ(サシコミヒラキ)と呼ぶそうです。

左右(さゆう)
左手を掲げて左に一足、または数足出た後、右手を掲げて右に一足、または数足出る型。

サシ
右手の扇を横から上げて正面高くに掲げる型。

シオリ 
目の前に手を差し出す。これは泣くことを示すんだそうです。

拍子(ひょうし)
どちらかの足を上げて、舞台を踏む。

留メ拍子(とめびょうし) 
一曲の終わりにはっきりと、2回踏む。シテが踏むこともワキが踏むこともあるそうです。

これだけでもいろいろな種類の型があることがわかりますよね!


決まった体の動きでいろいろな表情を生むことが出来るなんて、すごいです。。

能の舞

前回紹介したような、いろいろな型の連続によって表現される能の所作のまとまりを「舞」と呼びます。

「能の舞はきわめて静的である」という印象が一般的なのですが、「序破急」と呼ばれる緩急があり、ゆっくりと動き出して、徐々にテンポを早くし、ぴたっと止まるように演じられます。

まれに激しい曲ではアクロバティックな演技(飛び返りや仏倒れなど)もあるんです!

しかし、止まっている場合でもじっと休んでいるわけでなく、いろいろな力がつりあったために静止しているだけに過ぎないので、身体に極度の緊張を強いることになります。

それが、内面から湧き上がる迫力や気合を表出させるんですね!


舞事と働事

能では一曲のクライマックスでの表現として、謡が中心となった「クセ」などでの舞や、囃子のみで舞われる「舞事」が演じられます。

今回はその舞事と、働事について。これらは、それぞれ太鼓の入った「太鼓物」や、太鼓の無い「大小物」などに分類されます。

●呂中干(りょちゅうかん)の舞
定型の譜(呂中干の譜)を繰り返しながら、途中で段落や変化をつけた曲。いろいろな役柄が舞います。中テンポの「中之舞」や、ゆっくりとした「序之舞」、急テンポの「急之舞」などがあります。

●楽(がく)
中国を舞台とした曲で、神仙役の者が舞います。楽人役のシテが舞うこともあります。

●神楽(かぐら)
脇能(シテが神仏の役を演じる曲)で舞われます。神がかりした女性役の舞です。太鼓物。

舞ほど長くないですが、舞台を一巡する所作でシテの品位や勢威、内面心理を表現する囃子事もあり、それは「働事」と呼ばれています。

●舞働(まいはたらき)
竜神などが勢威を示すための曲です。太鼓物。

●翔(かけり)
武人(修羅)や狂女が演じる曲です。大小物。

地謡

今回は、地謡(じうたい)について。

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能において謡をうたうのは、シテ、ワキ、ツレなど劇中の登場人物と、地謡の人々です。

地謡は、2名~10名程のバックコーラスの人々のことです。

劇中の登場人物の謡はそのまま登場人物のセリフとなりますが、地謡は登場人物の心理描写や情景描写を担当しています。

また、場合によってはシテの感情を代弁してうたうことや、シテやワキと地謡が掛け合いをするケースもあります。

地謡 その2

地謡は、地謡座で前後二列になり、舞台を向いて座ります。

ちなみに、翁のときだけは囃子方の後方に座ることになっている決まりです。

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各々扇を持っており、謡う際にはそれを構え、休みの際には下ろします。

地謡は、地頭(じがしら)と呼ばれる存在がコンサートマスターのような役割を持っています。

地頭は以前、一番左前に座しているのが決まりでしたが、全体を統率するために後列中央に位置するようになりました。

また、地謡は意図的に個々の者が声の高さを変えてうたう『ヘテロフォニー』という方法を使っています。

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